日本産農産物で『おもてなし』できる!?~オリンピックからGAPを考える②~

こんにちは。
東京オリンピックが閉幕してしまいましたね。閉会式の翌日から五輪ロスになっている新井田です。

前回、オリンピックの提供食材におけるGAP認証について触れましたが、今回は国内のGAP認証の現状を少しご紹介します。

GAPは、簡単に言えば、「良い農業のやり方」をしている農家に、それを証明する認証を与えましょうというものです。GAP認証の指す「良い農業のやり方」とは、食品の安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理のこと。GAP認証を受けている農作物は、生産過程から環境にも配慮しているということになります。日本では知名度が低いですが、世界では農作物の安全を図る基準となっていて、ロンドンオリンピックやリオデジャネイロオリンピックでも食材調達コードに採用されています。アスリートが口にする食物は、最高のパフォーマンスを発揮するためにも、持続可能性のほかに安全、安心が問われます。

世界中で「サステイナビリティ(持続可能性)」という言葉が盛んに使われています。大量生産、大量消費から、一人一人が持続可能性を意識する社会への転換が叫ばれている中、オリンピック・パラリンピックでも、大会に必要な物品やサービスの調達に「持続可能性に配慮した調達コード」を定めているというわけですね。

オリンピック・パラリンピックが採用するGAP認証には、アジアGAPとJGAP、グローバルGAPがあります。農林水産省では、この3つを合わせた取得農家戸数を2020年度末までに1万3,500戸にすることを目標としていましたが、2020年3月末時点で約7,400戸にとどまり、目標に遠く及びませんでした。

また、同省の調査で、GAPについて「知っていた」と答えた消費者はわずかに5.4%。農家にとっても消費者にとってもまだまだ身近なものではありません。日本の国産農作物は安心・安全というイメージを持っている人は多いですが、実は食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の評価基準であるGAP認証取得がなかなか広がっていないという現状があります。

1964年の東京オリンピックでは、選手村で大量の食事を提供するために現在のファミリーレストランや外食チェーンで採用されている「セントラルキッチン方式」の原型が誕生したと言われています。半世紀を経て、食に対するニーズ、環境や状況は大きく変わりました。GAP認証について知り、認証を受けた食材を積極的に選ぶことで、私たち一人一人が、持続可能な社会に貢献することができると言えます。

興奮や感動を与えてくれる東京2020オリンピック・パラリンピックは、私たちにスポーツの素晴らしさだけではなく、“食”を見つめ直すきっかけも与えてくれているのです。

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