「ほころぶ」は春を彩ることば🌸
こんにちは。宿毛の桜を満喫している新井田です。
「ほころぶ」は春の訪れとともに、使いたくなる機会の増える言葉ではないでしょうか。開花の話題では「桜がほころびはじめました」、また、合格発表や入学式の話題では「喜びに顔をほころばせていました」など、季節としての春だけでなく、人生の春をも彩る言葉のひとつであると言えるかもしれません。
動詞「ほころぶ・ほころびる」には、①「(衣類などの)縫い目がほつれて開く」、②「つぼみが少し開く」、③「笑顔になる」などいくつかの意味がありますが、上述の場面で使われるのは②と③です。
②「つぼみが少し開く」という意味での「ほころぶ(びる)」は、「つぼみがほころぶ」はもちろん、「桜がほころびはじめる」「花々がほころんでいる」という使い方も自然ですね。厳密に言えば、「つぼみ」がほころんで「花」が咲くのですが、「花」には「開いたあとの咲いた部分や状態」という意味だけでなく、「開く部分そのもの」という意味もあります。
「ほころぶ」。かたく結ばれていたつぼみや表情が少しほどけ始めて、やがて満開に、笑顔になる。その最初のわずかな動きをとらえた、繊細で美しい言葉だと思います。
4月に入り、各地から桜の便りが届き始めました。見る人々の顔を思わずほころばせる、美しい花の季節です。ほころぶ花々を飽かず眺めつつ、春も言葉も、そして人生も、心ゆくまで味わいたいものです🌸
0コメント